CPOとは?CPA・CPRとの違いや改善方法も解説
公開日: 2024.04.16
最終更新日: 2024.04.24
Webマーケティングや広告の分野において、CPOという言葉を耳にしたことはありませんか?
CPOは「Cost Per Order」の頭文字をとったもので、マーケティング施策や広告運用の際に使われる指標の1つです。
しかし、CPOがどんな指標なのか、どういった時に用いられるのか、実はよくわかっていないという方も多いでしょう。
さらに、似たような言葉でCPAやCPRといった指標もあり、その違いがわからない!という方もいるかと思います。
実はこの3つは意味も似通っていて、しかも混同して使われていることもあるため、非常にややこしいのです、、、
そこで今回はマーケティング初心者でもわかりやすいように、CPOについて、CPAやCPRとの違いも含めて解説していきたいと思います!
CPOとは?
1.CPOの定義と算出方法
CPO(Cost Per Order)とは、マーケティング用語で「新規顧客1人当たりの獲得にかかる広告費用」のことを指します。CPOを計算することで、商品を売るためにどのくらいの広告費用をかければよいのかが分かるのです!
CPOは、広告費用に対して獲得した新規件数で割ることで算出できます。
CPO(新規顧客獲得費用)=(広告費用)÷(新規からの注文件数)
例えば、50万円の広告費をかけて、100件の新規の購入があった場合のCPOは、
50万円÷100件=CPO 5,000円
となります。
つまり、新しいお客さんに商品を買ってもらうためには、1人当たり5,000円の広告費がかかるということを意味します。
2.CPOの使い方
では、CPOはマーケティングのどういった場面で使えるのでしょうか?
主に「広告の費用対効果の測定」と「マーケティング施策の改善の指標」の2つが挙げられます。
①広告の費用対効果の比較
CPOは、広告の効果を測ったり、広告の予算を立てる際によく使われます。
例えば、120万円かければ新規の顧客を300件獲得する見込みのある広告Aと50万円かければ100件獲得する見込みのある広告Bがあったとします。
どちらに費用をかけるのが効果的といえるでしょうか?
広告Aと広告BのそれぞれのCPOを算出すると、
広告A:120万÷300件=CPO 4,000円
広告B:50万÷100件=CPO 5,000円
となり、広告Aは広告Bに比べて1件につき1,000円安く新規顧客を獲得できることが分かります。
つまり、単純な費用対効果で比べるならば、広告Aを選ぶ方が効率的といえます。
②マーケティング施策の改善の指標
上限のある広告予算の中でいかに獲得数を上げるのかということも、マーケティングでは重要になってきます。そこで、費用対効果を上げるためのマーケティング施策の際の指標として、CPOは用いられます。
こちらの具体的な内容については、後ほどご説明いたします。
CPAやCPRとの違い
1.CPAとの違い
マーケティングでは、広告の効果を測定する際にCPA(Cost Per AcquisitionもしくはCost Per Action)という言葉が用いられる場合もあります。
CPAは、特定の行動に対する獲得費用を示す指標です。例えば会員登録、商品の購入、資料請求、セミナーへの申し込みといったさまざまな「行動」の件数にスポットをあてます。
その名の通りCPO(Cost Per Order)は「注文」に重きが置かれるため、基本的には購入件数(注文件数)を用いて計算します。
一方、CPA(Cost Per Acquisition/Action)は「行動」に重きが置かれるため、注文だけでなく、無料の会員登録やセミナー申し込みなどでも用いられます。
しかし、CPOとCPAは重なるところがあるため、場合によっては同じものを示します。
例えば、単品販売を目的としたLP(ランディングページ)の場合、LPのコンバージョン、つまりゴールとなる行動は「商品の注文数」の1つになるため、CPOとCPAの区別は不要となるでしょう。
また、人によってはCPAとCPOを明確に区別せずほぼ同じ意味として扱っている場合もあるため、社内の会議や商談の際には、相手がCPOやCPAの意味をどのようにとらえているのか注意するようにしましょう。
2.CPRとの違い
CPOやCPAに似た言葉で、CPR(Cost Per Response)というものもあります。
CPOが注文件数を用いて費用を算出するのに対し、CPRは「資料請求」「会員登録」「サンプル申し込み」といったような購入以外の「レスポンス(反応)」にかかる費用を指します。
サンプル商品やお試し体験などでまずは商品やサービスを知ってもらい、そこから購入につなげるといった2ステップマーケティングを行う場合には、CPRとCPOを分けて考えます。
例えば「サンプルの申し込み」や「無料の会員登録」といった、見込み客を獲得する施策に対してはCPRが用いられます。
それに対して、実際の「商品購入」や「サブスクへの申し込み」など顧客の獲得をゴールとする場合はCPOが用いられます。
なお、CPA(Cost Per Acquisition/Action)はユーザーの「行動」に関する件数を扱うため「注文」と「反応」どちらに対しても使われます。
こちらも、CPO、CPA、CPRを明確に区別せずに使われる場合がありますので、状況や話の文脈に応じて使い分けるようにしましょう。
CPOを下げるには?
先ほどもお伝えしたように、マーケティング施策において、新規顧客の獲得コストを下げるための指標としても、CPOは用いられます。
では、CPOを下げる(=1件の新規顧客獲得にかかるコストを下げる)ためには、どうしたらよいのでしょうか。
CPOを下げるうえでまず知っていただきたいのが「限界CPO」と「LTV」という指標です。
1.限界COPとは?
限界CPOとは、広告費をかけて集客する際のCPOの上限値のことです。
これは、赤字にならないぎりぎりの「売上=費用」となる損益分岐点の値を指します。
したがって、利益を出すためには広告費は限界CPOを超えないよう設定する必要があります。
マーケティング施策の際にはまず、限界CPOを計算しておきましょう。
その上で、目標数値となる「1件あたり何円を目標にCVの獲得(=新規獲得)を目指すか」を決めていきます。
そして、施策の実施後には、立てたCPOの目標と比較して効果を検証します。
2.LTVとは?
LTV(Life Time Value)とは、「顧客生涯価値」を意味するマーケティング用語です。
1人の顧客が生涯にわたって商品やサービスをどのくらい利用するのかを示す言葉です。
もちろん実際には、1年間などある程度期間を区切って計算します。
LTVは、
LTV=(購入単価)×(購入回数)
で算出することができます。
新規顧客の獲得には高いコストがかかるため、獲得した顧客にその後いかにリピートしてもらうかが重要です。
LTVが高くなるほど1人の顧客から得られる利益は大きくなり、顧客の獲得コストを相対的に下げられるというわけです。
そのため、新規獲得にかかるコストだけを見るのではなく、その後どれだけリピートしてもらえるかも考慮するようにしましょう。LTVを上げるためには、購入単価をアップさせるような施策も重要です。
3.CPOの改善方法
CPOを下げるためには、以下の5つのポイントを改善していきましょう!
①広告やLP(ランディングページ)などのクリエイティブの改善
キャッチコピーやコンテンツの文言が、訴求したい内容に沿っているか見直しましょう。
回りくどい言い方や専門用語は避けるようにして、端的にメッセージが伝わるようにします。
もちろん、商品やサービスの魅力を直感的に見せられるデザインかどうかも大切です。
また、新規顧客と既存顧客ではユーザーが求める情報が異なるので、それぞれのターゲットに合うよう調整しましょう。
②ターゲティングの見直し
商品やサービスに関心のある層と広告のターゲティングがずれていないか確認しましょう。
実際の購入者の傾向から、どういった層にアピールするのが良いのかを定期的に分析していくことも大切です。
また、広告からLPやECサイトに誘導する場合に、広告のターゲティングとLPやECサイトの想定するターゲットがずれていたりすると、離脱につながりかねません。
訴求内容は統一するようにして、異なるターゲットを狙いたい場合はなるべく広告を分けてしまうほうがベターです。
都度、集客から購入までの流れの中で矛盾する部分がないか見直すようにしましょう。
③サイトの改善
広告から流入した後のサイトの使い勝手に問題がないか確認しましょう。
せっかくサイトに訪問しても、購入や申し込みまでの導線が分かりづらいと離脱の原因になってしまいます。また、フォームが分かりづらく、入力で悩ませてしまったり、不安にさせてしまったりするような要素があると、そこで購入をあきらめてしまうこともあります。
広告だけに目を向けるのではなく、サイトの使いやすさにも注意を払いましょう。
④広告手法や媒体の見直し
ターゲットと広告媒体との相性や、流行などさまざまな要因によって、一時はよくても効果が出なくなってしまうこともあります。
なかなか効果が改善しない場合は、反応の悪い広告はやめる、別の広告媒体を検討する、というように広告自体を見直すようにしましょう。
また、CPOには直接的には関係ありませんが、広告ばかりに頼らなくていいようにSNSやオウンドメディアを用いた集客に力を入れることもおすすめです!
⑤購入単価や購入頻度を上げる
顧客獲得のコストを下げるためには、購入単価に目を向けることも大切です。
アップセルやクロスセルで購入額を上げることで、LTVを上げましょう。
有料の会員サービスであれば、料金ごとにランク分けをして差別化を図ります。お試し価格で手軽にスタートさせつつ、受けられるサービスの拡充のためにランクアップを促します。
ECサイトであれば、他の購入者が買っている商品や類似商品をお勧めで出すようにして、購入予定の商品以外もついでに買ってもらえるよう促します。
まとめ
今回は、マーケティングでよく用いられるCPO(Cost Per Order)について解説してきました。
CPOは、広告の効果を測定し、広告の費用対効果を上げようとする際に使われる指標です。
広告の費用対効果を示す言葉には、CPA(Cost Per Action/acquisition)やCPR(Cost Per Responce)といったものがありますが、その中でもCPOは「注文数」に対応しているので売り上げに直結しています。新規顧客の獲得やその後のリピート施策を考えていくうえで欠かせません。
CPOをうまく活用すれば、限られた予算の中でも広告の効果を高めることができるはずです。
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